ミクローシュ・ペレーニ、バッハ無伴奏チェロ組曲再録!

今日のテーマはJ.S.バッハさん作曲、無伴奏チェロ組曲です。

このテーマを語り合ってくれる人は残念ながら今の自分の周りにはいなくて…ブログで独り綴ります😥

さて、J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲ですが、チェロ独奏曲としては頂点位置するのは多分異論の無いところだと思います。

その天才バッハの傑作は巨大な美しさと多様性を持ち、バランスの取れた調和と尺度を詰め込み管理され、構造、強弱、アーティキュレーション、テクスチャ、ポリフォニー、エレガンス等、多くの特徴を備えた組曲でありながら、無理に手の込んだところや何かどこかが欠けたような所も見られない、神がかった崇高さに達しています。

チェロを志す人ならきっと一度は必ず登るべく険しく聳え立つ山岳地帯の様な存在なのでしょう。

そして当然ながら今まで名チェリスト達がこの大作を並々ならぬモチベーションで準備をし、作曲家の意図と己の解釈を表現すべく演奏し、時には録音を残し、数々の名演をしてきました。

なので、幸せなことに現代は多くのチェリストのこの全曲集の録音をCD、レコード、音楽ストリーミングサービス等で聴くことできて、
更には「あーだ、こーだ」だのと是非善悪、好き嫌いを比べ語ることができます。

なんと贅沢なことでしょうね。

そんな私は多くの演奏の録音音源をめちゃくちゃコレクションし散財もしましたが、

ここ最近はピエール・フルニエ1960、61年、スティーブン・イッサリス2007年、そしてミクローシュ・ペレーニ1981年の録音、
この辺りをよく聴くように落ち着きました。

どれも感情表現に富んだとか、太くダイナミックなとかいうよりは純朴、素朴なケレン味のない演奏のもので、また録音環境による残響が強くないものです。

特にミクローシュ・ペレーニの演奏は毎日の日々の練習の様な実直さ、朴訥さが耳に馴染み身体に馴染むもので大変好みです。実際、2度ほど来日コンサートを聴くことができ感謝してます。

ですがそのペレーニさんの1981年のレコードはとっくの昔に廃盤しており、現在はMP3の販売のみ。多くのペレーニファンの方がCD化を待望するもどこか気に食わないのでしょう、決してCD化を本人が許さずにいます。

その他には1996年に地元テレビで全曲演奏されたものが映像DVD化されてます。(一応自分もMP4で持ってはいますが廃盤のようです)

その後だいぶ時が経った2012年、かの名レーベルECMから『無伴奏チェロ作品集~バッハ、リゲティ、ブリテン』が発表されバッハ無伴奏チェロ組曲からは6番のみですが演奏を聴くことができます。
勿論、この曲集もとても素晴らしいのでした。

ただ、

今現在のペレーニの演奏家として成熟されたであろう、既に齢70も越えた今ペレーニが挑む全曲録音を未だに聴くことが残念ながらできないでいたのです。当然コンサートへ行けばいいのですけどそういうことじゃないですよね。

多分、全てのペレーニファンは全曲録音を待望しておりましたでしょう。

ペレーニの芸術と自身への厳しさ、ディテールのこだわりが邪魔をして、もしかしたら、もう全曲録音はしないんじゃないか?

そんな噂も出始めた頃…

と、それが、それが…ビックリ

昨年2020年暮れに発表、発売されたのでした!

いや、正直に言うと

僕が知らぬ間に発売されてましたァー、ワッハッハ(笑)


2019年にこっそり?録音していたようです。

内容のレビューに関しては多くの人がアマゾンやタワーレコードの口コミ内で絶賛されてますので、省略します。

ただ、期待通りの素晴らしい演奏と録音でした。

これにひと言を言うなれば、

上善は水の如し(日本酒じゃないよ)

はたまた、正に

『天衣無縫』

とでもいいましょうか。

ずっーと、ずっーと、聴いていても

疲れない。

カラダに何も抵抗なく染み込んできます。

偉大だ!とか、荘厳だ!とか

そんな身構えたところや肩が凝りそうなところはなく、ただ自然体なペレーニの球体な演奏がそこにあります。

このステイホーム中、

ほんとに助かりました(笑)

と、そんなことじゃなくて

『ペレーニさん、ありがとう!』

そんな素直な気持ちになるのでした。

はあ、コンサートへ行きたいです。

コロナのバカ。


ということで、

この演奏録音は私にとってのバッハ無伴奏チェロ組曲の決定版として

しばらく、いや、ずっとかな?

そうなりそうです。



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